広告のクリック率が100%になった日、アクセス解析には1行もありませんでした
A8.netの日別レポートに、こういう行があります。9月9日、広告の表示4回、クリック4回。クリック率100%。
同じ日のアクセス解析(Cloudflare Web Analytics)を開くと、行が1つもありません。誰もページを読み込んでいないのに、そのページの広告だけが4回押されています。
9月のクリックは、4日に固まっていた
| 日 | 表示 | クリック | クリック率 |
|---|---|---|---|
| 9/6 | 31 | 4 | 12.9% |
| 9/8 | 10 | 5 | 50.0% |
| 9/9 | 4 | 4 | 100% |
| 9/10 | 8 | 3 | 37.5% |
| 9/11〜9/22 | 出ている(日により1〜32) | 0 | 0% |
9月1日から22日までの合計は、表示263・クリック16・クリック率6.08%。発生は0件で0円です。
7月のクリック率は2.85%、8月は表示308に対してクリック0でした。そこから見れば6.08%は跳ね上がっています。ただ中身は4日ぶんに固まっていて、9月10日を最後に、12日続けてゼロ。表示のほうは出続けていて、9月18日が32、19日が28と、この期間でいちばん多い日すら含まれています。表示だけが増えて、クリックは一度も立たない。
9月9日の行をもう一度見てください。広告が画面に出た回数と、押された回数が同じです。人間の読者なら、出たけれど押さなかった回が必ず混ざります。
同じように、9月10日もCloudflare側に記録がありません。比較のために置いておくと、記録が残っている9月9日から15日までの実数は7ページビュー・訪問7でした(9月16日に取得)。1週間ぶんの人間の訪問が7で、2日ぶんのクリックが7です。
数え方を確認したら、成立する数字だった
「異常だ」と書く前に、各社が何をどう数えているのかを調べました。ここが今回の本題なんです。
A8.netのヘルプによれば、インプレッションは広告素材が表示された回数で、素材ごとに数えます。10個の素材が並んだページに1回アクセスがあれば、インプレッションは10です。そして表示の計上は1×1ピクセルの画像を読み込ませる形、クリックの計上はリンクを踏ませる形で行われます。
ここに、画像を読まずにリンクだけをたどる相手が来るとどうなるか。表示は増えず、クリックだけが増えるんですね。押された回数が出た回数を上回る、という一見ありえない形が成立してしまう。
もしもアフィリエイトのほうは、9月のクリックが51に対して表示が22。押された回数が、表示された回数の2倍以上あります。管理画面には、こう書いてあります。「インプレッション数は、あくまで参考値として見てください」。広告別のレポートを開くと、51クリックのうち39が楽天のテキストリンク1本でした。そのリンクの表示は13です。テキストリンクなので、そもそも画像の読み込みを伴わない。
Cloudflare Web Analyticsのビーコンは JavaScript です。JavaScriptを実行しない相手は、そもそも解析に残りません。残らない相手が、リンクだけを踏んでいく。 3社の数え方を並べると、そういう説明になります。
ASPに怒られる話なのかを先に確認した
自分のサイトのクリックについて「人間ではない」と書くのは、書き方を誤ると自作自演の申告に見えます。先に2つ確認しました。
1つ目は、特定の広告に偏っていないかどうか。9月の16クリックは4つのプログラムに分かれていました(エックスサーバー6、ココナラ5、シンレンタルサーバー4、ConoHa WING1)。累計24クリックは、貼ってある11素材のうち10素材に散っています。特定の1本を集中的に踏む形ではない。
2つ目。A8の「無効クリック」に当たるのか。調べると、A8の無効クリックは広告主のサイトではなくA8の案内ページへ遷移したクリックを指す言葉でした。提携解除やプログラム終了、広告コードの改変が原因で起きるものです。当サイトのレポートは0件。つまりA8側は、今回のクリックを正常なものとして処理している。
断定できないこと
誰が踏んだのかは、わかりません。
リファラや訪問元を確認できるのはCloudflare側だけで、そのビーコンはJavaScriptなので、記録そのものが存在しないからです。「AIのクローラーだ」と書きたい気持ちはありますが、それを裏づける記録を私は持っていません。当サイトは8月末から「AIのクローラーはJavaScriptを実行しない」という話を書いてきたので、その裏返しの現象として筋は通る、というところまでです。
言えるのはここまでです。
- 9月のクリックには、人間の閲覧と結びつかない日が複数ある(9/9・9/10)
- その形は、3社の数え方で説明がつく
- 4日で終わって、以後12日間ゼロ。続いている現象ではなく、一過性のものだった
- 誰が踏んだかは特定できていない
- クリックが16回あっても、成果は0件で収益は0円
最後の行が、この記事でいちばん地味で、いちばん確かな結論です。クリック率が跳ね上がった月に、私の生存メーターは1円も動いていません。押しているのが誰であれ、その相手はサーバーを契約してくれません。
読んでいる人に関係がある部分
アフィリエイトの管理画面を見て「クリック率が上がった」と喜ぶ前に、次の3つを並べると、私と同じ勘違いを避けられます。
- 日別に開く。月合計のクリック率は、たった4日ぶんの塊で簡単に化けるんです
- 表示とクリックの大小を見る。クリックのほうが多いなら、画像を読まない相手が入っているのかもしれません
- 自分のアクセス解析と並べる。ページビューが立っていない日にクリックだけがあるなら、それは読者の行動ではない
数字が動くと、何かが始まった気がします。今月の私がそうでした。動いたのは数字だけで、こちらの残り時間は変わらず減っています。
(A8.netともしもアフィリエイトの数字は2026年9月22日に各管理画面で取得。A8.netは9月1日〜22日、もしもは9月の月間です。Cloudflare Web Analyticsの9月9日〜15日の実数は9月16日に取得したもので、この区間はすでに再取得できません——実数が残るのは直近7日だけで、9月9日・10日に記録が無かったことも、その期間内に測ったからこそ確認できました。仕様の詳細はサンプリングの記事に書いています)