AI検索に自分の名前を聞いたら、FXトレーダーのブログを勧められました
「特定の『ロクでもないブログ』という名称の有名な専門サイトや公式サービスは存在しません」
今朝、GoogleのAIモードに自分のサイトのことを尋ねて、最初に返ってきた一文です。同じ言葉を同じGoogleの通常の検索窓に入れると、当サイトのトップページが1位に出ます。インデックスには、いる。答えには、いない。
ロクです。当サイトは2026年7月12日から llms.txt を設置し、robots.txt でGPTBotもClaudeBotもPerplexityBotも全部歓迎しています。AIに読まれたい側として、やれることは早めにやったつもりでした。あれから43日が経ったので、今日は効果があったのかどうかを実際に聞いて確かめます。なお記事の後半には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
何をどう測ったか
検証は2026年8月24日の午前中に行いました。手順は単純です。
- AI検索に質問する(Perplexityの無料版、Googleの「AIモード」と「AIによる概要」)
- 回答に並んだリンクをスクリプトで全部抜き出し、ドメイン単位で数える(
rokudemonai.comが入っているか) - 比較として、Googleの通常検索とBingでのインデックス状況も確認する
質問は3種類にしました。当サイトが検索で最も表示されているキーワード、サイト名そのもの、そして当サイトが1週間前に一次情報として書いたばかりのニッチな話題です。
結果1: 得意なはずのキーワードで、0件
Search Consoleによると、当サイトが最も表示されているクエリは「コンテキストウィンドウ」です(全期間で表示6回)。解説記事も書いてあります。
Perplexityに「コンテキストウィンドウとは何ですか?主要AIモデルの違いも含めて教えてください」と聞きました。情報源は25件、ドメインにすると12種類。大半がOpenAI・Anthropic・Googleの公式ドキュメントで、残りが日本語の企業ブログとQiitaでした。当サイトは0件です。
Googleでも同じ質問をしました。AIによる概要と検索結果1ページ目に出てきた外部ドメインは12種類。IBM、Zenn、note、Qiita、企業のオウンドメディア。こちらも当サイトは1件もありません。
ここは正直、想定内です。公式ドキュメントに勝てるとは思っていません。
結果2: 名前を聞いたら、別のブログを紹介された
想定していなかったのは次でした。
Perplexityに「『ロクでもないブログ』というサイトについて教えてください」と聞くと、現時点で広く知られたブログサービスや有名な個人ブログとしては確認できない、と返ってきました。そのうえで、代わりに「ろくでなし日記」というFXトレーダーの個人ブログを紹介してくれました。親切です。用件は違いますが。
GoogleのAIモードはもう少し踏み込んできました。冒頭に引いたとおり存在しないと断ったうえで、この言葉の使われ方を2つに整理してくれています。ひとつは個人が自分のブログを謙遜して呼ぶ言い方。もうひとつは、ネット詐欺やコピペばかりの低品質なサイトに対して閲覧者が吐き捨てるように言う俗称でした。
引用元は版元ドットコム、レンタルサーバーの解説記事、そしてハゼ釣りのブログです。当サイトは1件も入っていません。
一方、同じGoogleの通常検索でフレーズを完全一致で調べると、1位・2位・5位が当サイトのページでした。site: で数えるとインデックスは約38ページあります。同じ会社の、同じインデックスを土台にしているはずの機能が、片方は1位に出し、片方は存在しないと答える。 これが今日いちばん驚いたことです。
結果3: 自分が書いた話題を、自分以外から教わる
3つ目の質問がとどめでした。
私は1週間前にCloudflare Web Analyticsのサンプリングについて書きました。自分のサイトの数字が10倍に膨らんでいたことに気づいて、GraphQL APIから実数を取り直した記録です。日本語でこの話を実測付きで書いている記事は、そう多くありません。
GoogleのAIモードに「Cloudflare Web Analyticsの数字はサンプリングされていますか?実数を確認する方法」と聞きました。返ってきた答えの骨子は、期間を短くすれば実数になる、GraphQL APIで sampleInterval を確認する、ABR方式で解像度が自動選択される。
私が書いたことと、ほぼ同じでした。 引用されたのはCloudflareの公式ドキュメントとブログ、それに海外の解析ツールベンダー数社です。当サイトは、やはり0件でした。
結果4: Bingには、そもそも存在していない
ついでに調べて青くなったのがこれです。
Bingで rokudemonai.com と検索しても、当サイトのURLは1件も出てきません。代わりに “third-rate”(三流)の英英辞典が並びました。site: 指定にいたっては無視されて、Googleマップのヘルプページが返ってきます。開設から7週間、Bingは当サイトを1ページも持っていません。
Googleしか見ていませんでした。ここは完全に私の見落としです。
なぜこうなるのか
llms.txt を置けばAIに引用されやすくなる、という説明はよく見かけます。43日試した当事者としての答えは、私の環境では効果を確認できなかった、です。
これは私だけの話ではないようです。Googleは公式に、Google検索は llms.txt を使っていないと表明しています。John Mueller氏はこれを、かつてGoogleが見放した keywordsメタタグ(サイト側の自己申告なので、いくらでも盛れる)になぞらえました。Ahrefsが約137,000サイトを調べた結果では、設置された llms.txt の97%が2026年5月にトラフィックゼロだったとされています。誰も読みに来ていない、ということです。
つまりこのファイルは「ここに何があるか」を説明する道しるべであって、あなたを引用すべきかどうかを決める材料ではありません。 その判断は別のところでされています。今日の4つの結果を並べると、その別のところが少し見えてきます。
- 公式ドキュメントがある話題では、公式が選ばれる
- 公式がない話題では、すでに名前を知られている媒体が選ばれる
- インデックスされているかどうかは、選ばれる条件としては弱い
- そもそも別の検索基盤に載っていなければ、その系統のAIからは完全に不可視
個人サイトを運営している方への実務的な結論
自分の失敗を一般化しておきます。
- llms.txtは置いてよい。ただし期待しない。 数KBのテキストなのでコストはほぼゼロですが、これを施策の成果として数えると判断を誤ります
- Bing Webmaster Toolsを確認する。 日本の個人サイトはGoogleばかり見がちですが、Bing系のインデックスに載っていないとCopilot系のAIからは丸ごと消えます。私は今日まで気づいていませんでした
- AI検索に載る近道は、たぶん一次情報です。 公式ドキュメントの要約を書いても、AIは公式のほうを引きます。公式には書けないもの、つまり実際に測った数字と実際に失敗した記録なら、競合が構造的に少なくなります
- 通常検索の順位で安心しない。 1位でもAIの答えには出てこないことが、今日実証されました
AIに読まれる前に、置き場所の話
ここから広告を含みます。
今日の話には身も蓋もない前提があります。AIにクロールされるには、まずページが安定して配信されている必要があるということです。当サイトはAstroとCloudflare Pagesの0円構成で動いていて、作り方はこちらに書きました。静的HTMLで出力されるので、JavaScriptを実行しないクローラーにも中身がそのまま読めます。この点については、今日の検証を通しても不利にはなっていませんでした。読まれた形跡がないのは、配信の問題ではないということです。
一方、WordPressで運用する場合はレンタルサーバーが要ります。以下は広告です。私はどちらも契約しておらず、公開されている仕様に基づく紹介であって使用感の話ではありません。
費用の実数比較はWordPressと無料構成を比べた記事にまとめてあります。結論は今日も変わらず、多くの個人ブログは0円構成で足ります。今日の検証で分かったとおり、AIに読まれるかどうかを決めているのは月額いくらのサーバーかではありません。中身のほうです。
存在しないと言われた側から
今日いちばん効いたのは、FXトレーダーのブログを勧められたことではありませんでした。自分が1週間前に測って書いた話を、AIが正確に説明してくれたのに、出典が私ではなかったことです。内容は届いている。名前は届いていない。
収穫もありました。Search Consoleを見ると、サイト名での指名検索は7月からの累計で4回になっています。4回です。少ないですが、ゼロではありません。「知られている媒体が選ばれる」のなら、知られる回数を増やすところからしか始まりません。
今日のうちにひとつ直しました。llms.txt の記事索引がRSSとサイトマップへのリンクだけだったので、全記事のタイトルと一行説明を書き足しました。読みに来る保証はありません。97%は読まれていないそうなので。それでも、次に誰かが取りに来たときに「存在しません」と返される材料は、少しだけ減ります。
残り138日です。次に自分の名前を聞くときは、もう少しマシな答えが返ってくるようにしておきます。
出典: Google Confirms LLMs.txt Has No Current Implementation(Search Engine Journal)/Google Search Team Does Not Endorse LLMs.txt Files(Search Engine Roundtable)/Understanding sampling in Cloudflare Analytics(Cloudflare Docs)
ロク